【参加者視点】AlexaDay2019に行ってきた話
2019年4月6日開催のAlexaDay2019に参加しました。
ちなみに神戸に行くのは人生で初でした。
日本地図を確認するところからのスタートでした。
新幹線ののぞみだと新大阪の次が新神戸なんですね。
本記事は参加者視点での記事です。
登壇者視点の記事、登壇までいろいろあった記事はまた別に記載してます。
9時前現地入り
登壇者なので9時前に現地入りしました。
このポップがお出迎えですが、このサイズでも見栄えするデザインはすごいですね。
開会式
この日のためにオランダから帰国したAlexa Championの伊東さんから開会の挨拶です。
「Twitter #Alexaday2019 でガンガンツイートしてください」
で、解散!
というコンパクトな滑り出し。
堅苦しくなくてとても良いです。
本当に開会挨拶は短かったので、めそ子と写真撮ってた僕がいます。
Alexa Skills Kit 最新アップデート
Alexaの中の人、吉田さんによるセッションです。
畠中さんではなかったのは、コミュニティの場でのエヴァンジェリスト経験なんだろうなぁと勝手に察してました。
10インチタブレットでAlexaが扱えますよという話から。
Echo Showモード搭載の話なんだけども、Echo Showとの差分への言及は特になかったです。
Alexaの展開として
という多角的な方面での登壇でした。
あとはWindows版Alexaのデモ。
NEC製PCだけハンズフリーができるのが現状らしく、他社PCだと現状は起動させる何かしらのアクションが必要とのこと。
最近、ゲームを強く推しているAlexa Japanの動きを感じるので、そのうちイベントやる未来を感じます。
日本市場だと画面付きデバイスが売れているとの話がありましたが、それはEchoシリーズに手をだすユーザーが少ない中でSpotを発売したので、そしたらどうせなら画面付きにしようとユーザーがなったのではないかと勝手に思います。
他国との販売のスケジュールが違うはず。
たしかにUSスキルでのスキル内課金はゲームが作りやすい気がしますが、結局のところユーザーへの良い体験をいかに届けるかだよなぁと感じながら聞いてました。
交通情報系スキルを事例に見る日常生活に溶け込むスキルのテクニック
ジョルダン社のスキル作成のテクニックの話。
テクニックというかガッツリ技術的なお話でした。
■Lambdaが遅いからやめる
Lambdaのコールドスタートが遅いという1秒の壁に立ち向かう話で、検証の結果Lambdaを使わないという選択肢をとるまでの流れでした。
とはいえ、Lambdaをやめるということは、他のリソースで動くのでそこの運用コストも気になる話でした。
■ユーザーとデバイスの識別
userIdとdeviceIdの差異、そしてどうやって識別するかのかなりのノウハウを教えてもらいました。
■スロット5万件では足りない
バス停の数がありすぎて、スロットの制限5万件では到底足りないという話があって、とはいえ「市役所前」みたいなバス停だと結局のところユーザーに選択をさせないといけないというリアルな開発話はアツかったです。
ランチセッション
ランチセッションは3社が登壇でした。じゃんけんで順番が決まったらしいです。
■株式会社ISAO
中嶋さんのデザインスプリントの話。
秋葉原にあるISAO社に行くと体験できますが、VUIは企画・設計がめっちゃ大事で、そのアイデアを設計するところまでのデザイン面をデザインスプリントという手法でやっているというお話。
参加できる方は一回行ってみると勉強になって良いと思います。
けど、なんで平日にしかやってないんだろう。
土日どっちかでガッツリやってもいい内容な気はしてます。
過去の僕の参加ブログは以下
■株式会社サーバ―ワークス
きましたよ、こけしのkokexaをやっている会社。
kokexaは僕が初めて実物をみたのは去年6月のAWSSummitだったんだけども、デバイスを違和感なく配置するという面において「こけし」を選んでいるのはすごい良い着眼点だと本気で思います。
そこにあって違和感がないモノという点と、日本っぽさがある。
■株式会社ウフル
「Alexaで作る受付システム」という、たまに耳にするテーマだなーと思ってたら突然コスプレ?をはじめた
そして、Echoの見た目を進化させたっぽいけど原形がないw
話の本筋はなんだったかな・・・
Backlog for Amazon Alexa enhance を 全部見せます
伊東さんのお話。
タスク管理ツールBacklogと、PM(プロジェクトマネージャー)の関係からのスタート。
PMは現状のプロジェクトを俯瞰しつつ課題を分析してアプローチしていくことを繰り返す。
VUIでカジュアルに
「このプロジェクト遅れてるよ!」
とか教えてもらいたかったりする。
そんな中でBacklogのようなAlexaスキルは音声アシスタントとして「機能」ではなくPMの「ノウハウ」を実装してアドバイザーになった方がいいという提言です。
- コミュニケーション層
- ワークフロー層
- リポジトリ層
の3層構造になっている中で、PMが課題を分析する箇所をワークフロー層に組み込んだ方がPMを手助けできるという考え方。
そして、ASK-SDKがv2になったので、環境はAWS類に統一し、中でもCodeStarが素晴らしい。
環境構築から躓かないし、Cloud9でコードをかけばいいじゃない。
スキル内の実装を3層構造に分割し、さらに分析箇所を追加、ユーザーと話すところも専用の層にするのは、もう完全に開発手法のお話。
言われてみればたしかにこのような実装にした方がいいなぁと感じたので今後は僕もそうしてみる。
けども、そこまでチーム開発を大規模にするほどのスキルはどれくらいあるんだろう。
そういった面で、日本の「やってみた」とか趣味レベルで止まっていることが多いことを強く感じたセッションでした。
Deep Dive Development Alexa Skill by Node.js
岡本さんのセッション。
セッション公開時におそらく一番ギークなセッションになると考えていました。
実際かなり踏み込んでいました。
Node.jsよりTypeScriptの方が型が決まっててIDEで補完されるから楽という話はクラメソさんでも以前聞いたし、本当にそうだと思います。
SDKのStandardとCustomどっちを選ぶかというお話。
僕個人的にはCustomの方が結局はやりたいことできるので選ぶけども、案件によってはStandardでぺぺっと作ることもあるかなーと思いながら聞いてました。
そしてこれは、ホントに全く知らなかったIntentRequestの省略記法の話。
データの保存をDynamoDBにするか、S3にするかという話は僕も「併用すれば?」派です。
あと結合試験にVirtual-alexaというのが使えるらしいので、別途遊んでみることにします。
■「context」は好きに使って
ただ、1つだけ「context」は好きに使ってというところだけ個人的には引っ掛かりました。
僕が例のシステムを作るとき、ask-sdkの中でuserIdを取得してたのは、たしかcontextからだった気がするからです。
だからsdkのJSONの取得・構築部分を追っかけていた時に僕はcontextを参照した記憶がある。
とはいえ、まぁ、そこまでやるのはAlexaの中の人か、僕みたいな人しかいないからレアケース。
AWSを駆使して特許出願に至ったVUIの「音声レビュー・ログデータ収集・分析システム」の話
これは僕の登壇なので別の記事に書きます。
Alexa x 機械学習でスキルをよりリッチにする方法
クラメソのせーのさん。
日本中どこでもいるイメージがあるせーのさん。
技術面、トーク面、スライド面、いつも本当にすげーなーと思いながら聞かせてもらっています。
そもそも機械学習って何よというところからでした。
大量のデータを、機械が学習して、モデルを作るという流れのイメージ。
イメージはイメージで、実際は
開発→学習→推論という段階を踏んでいくことが機械学習であるとのこと。
なので、モデルを変換してAPIにするらしい。
とはいえ、一旦落ち着いて、そもそもVUIでやった方がいいのか?から考える。
スマホの方が早くね? ならそうした方がいいし、機械学習させようとなったとしても実はルールベースで済むことも多い。
例としては「アダプティブラーニング」とのこと。
例えば学校なり塾なりで、子供の理解度に対してテキストを推奨するということは、新しい発見は求められていないし普遍的で知見の集まりである。
なので機械学習ではなく、AならBと決まっていくのでルールベースでやればいい。
そうでもなくて、機械学習させるということになった時、スクラッチではなく各種OSSや学習済みモデルがあるのでそれらの利用を検討すること。
Alexaはあくまで音声インタフェースであって、カメラ・マイク・センサーなど他のデバイスも活用する視点が必要。
画像の異常判定とかしたい場合に、そもそも異常状態のサンプルが少なすぎるので、データの収集としてオープンデータや、画像のコントラストを変えた「水増し」や、対象物の特徴が表示されている画像データを世の中からもってくる「転移学習」といった手法がある。
正直、機械学習は本当に「イメージ」しかなかったけれど、せーのさんのセッションで機械学習を用いる手法と各種OSSやサービスを学べたのは知見の塊でした。
パネルディスカッション
去年のAlexaDayで話していたスキルが一年経ってどうなっているか。
リテンション率をあげるのは、やはり苦労しているっぽい。
ウォーターサーバーの水は頻繁には変えないし、金融で残高チェックも毎日見たりはしない。
たしかに・・・
画面付きのデバイスが多くなれば、画面をつかったUIになっていくので音声のみではない。
とはいえ、タイマーとか家電操作とかちょっとしたことが音声でできることはやはり便利。
今後については、コンテンツホルダーが強くなるとの見通し。
AlexaがEverywhereという考えてがあって、どこでもAlexaがあるような状態になった時、目が付けられるのはコンテンツホルダー。
ラジオみたいに聞き流せるようなスキルが良い例かもしれないという話も出てきました。
■Alexaに物申したいこと
Googleさんは全文とれるのでAlexaもSlot意外で取れるようにして欲しいのと、声の「調子」を認識させたい。
早口であるとか、テンションとか。
Amazon ConnectでできることをAlexaでもできるようにして欲しい。
ウェイクワードを自由に変えたい、スキルコネクションとかを日本向けに公開してほしいとか。
■パネラーからのメッセージ
音楽を聴くだけは勿体ない、日常使いで便利になることを広めてほしい
「ベストプラクティス」というモノがまだ確立されていないのでここからみんなで考えていきたい
blueprintなりNOIDなり、開発の敷居は下がっているのでみんなしてスキルをガンガン作っていこう
上記のようなことがあった後に
「キラーコンテンツ」
が一番誰もが欲しい
という話がありました。
こうなった時、僕は個人的には危機感があって、それは大学時代にアドホックネットワークを研究していた際にも「キラーコンテンツがない」と言われっぱなしだったから。
キラーコンテンツがない状態が続くと衰退する気がするので、いろんな面でスキル作っていくしかないのかなぁと。
とはいえソフトウェア面だけではなくて、何かしらのデバイスとの連携も必要になってくるし、移動体も考えていくことになるだろうなぁ。
閉会式
「アウトプットするまでがAlexaDay」
TwitterとかSNSでもいいけどブログを書くべし。
そして、次回からの新名称が
Voice Con Japan
になりました。
新名称の件は結構関わらせてもらったのですが、結果的に「Alexa」が関係ないモノが選ばれたので、裾野が広くなったんだけどもこれはどうなんだろう。
汎用性が極めて高いので声ならなんでもいいようなイベントになるのか、Alexaで絞るのか、今後の流れに期待。
僕の個人的な考えとしてはAlexaはAlexaに絞った大きなイベントが1つあった方がいいとは思うんだけども、どうなんでしょうね。
懇親会
懇親会が4000円するのは珍しいと思う中で結構な人数が参加なさっていました。
ちなみにこれは本当にウーロン茶でした。
懇親会
— show@技術書典6NOID本う78 (@surumegohan) April 6, 2019
これがウーロン茶である#alexaday2019 pic.twitter.com/PQi0J8NoIO
東京勢ではない方々と話せたのはやはり良かった。
これは大阪に行った時もそう感じたし、逆に東京勢でも普段会えない人に会えたりする。
神戸で開催して、懇親会数十人はなかなかないそうで、かなり貴重な機会だったみたいです。
懇親会、伊東さんの〆の挨拶#alexaday2019 pic.twitter.com/R7a60Hoa1S
— show@技術書典6NOID本う78 (@surumegohan) April 6, 2019
参加してみて
セッションを全体的にみてみると、めっちゃ技術か、めっちゃデザインかみたいな面があった印象がありました。
どちらにしろ、深い話が多かった。
そして、有料イベントだったからか、各企業として登壇している方は普段のスライドや内容よりかなり深かった。
参加して良かったです。
来年もいけるかなー