するめごはんのIT日記

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道化恐怖症だと自覚している僕があえて映画ジョーカーをみた話

ごきげんよう

本記事はIT関係ない

日曜日の気分転換で何か映画でもタブレットで観るかと思ったらジョーカーが人気だった。 しかし僕は自分を道化恐怖症だと思っている。

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本記事はそんな僕が本作品をみて感じたことを書いておくポエムである。

最終的に感じたこと

大変素晴らしい映画だった。
あと2~3回は観られる。むしろ1回観た視点から再度観たい。

前提条件

僕は自分のことを道化恐怖症だと思っている。病院の診断とかはしていないが、いわゆるピエロが極端に苦手である。

このようになった原因は幼少期に観た、特捜ロボジャンパー○ンの映画で謎のピエロが連続誘拐事件を起こしていた狂気からではないかと考えている。 ピエロが銃乱射とかしてた記憶がある。 トラウマ。

どの程度ピエロが苦手なのよ

千葉の夢の国の黒ネズミすら苦手である。 残念なことに彼は日本中どこにいても画像がリアルにあり、毎回嫌な気分になる。 コンビニでも電車内でも彼の画像があふれているので生きるのがつらい。
あの奇怪な動き、独特の声で笑う「ハハッ!」
僕にとっては恐怖そのものである。 彼の彼女も同様に無理。いや、怖いよ。なんだあの動き。 僕から見れば黒ネズミ集団こそ狂気を感じる。

2次元でも苦手である。 例えば「スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園」の4章にでてくるピエロの絵の扉もダメである。 もうあれホントつらい。 シナリオはいいのに、ピエロ的につらい。 画像をここに貼るべきかもしれないが、検索したくない。

蛇足だが、「スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園」についてはいわゆる神ゲームだと思っている。 オープニングが長すぎてそこは正直うざったいが、シナリオが大変素晴らしい。特に5章。 ゲームのシナリオで「マジかよ!?」となったのはライブアライブの中世編以来の衝撃だった。

V3は裁判システムが成熟しているし、僕はあの最終章シナリオもかなり好き。 ごはん3杯いける。

そんな苦手なのになんでわざわざ観るんだよ

バットマンビギンズ、ダークナイトダークナイトライジングが視聴済みでそこそこ面白かったから。

そしてジャンパー〇ン時代ではなく2020年の僕がピエロを映画で観たら観点が変わるかもしれないと判断したから。 仮に嫌悪感に包まれても日曜日である。

また、ダンガンロンパシリーズが好きである理由として、人間が狂気に落ちていく心理的描写と、それによる正義とは何か・悪とは何かを考えるのが好きだからである。 もちろん東京地裁の受付がタッチパネルになった時に感動した程度に裁判も嫌いではない。傍聴するならね。自分でやるとさすがにしんどい。

またしても蛇足だが、ハーバード大学のサンデル教授による「正義」に関する哲学の講義は、日本語訳の本を過労でぶっ倒れた入院時(3日間)に持参したくらい最高だと思っている。

ジョーカーをみてどうだったのよ

ネタバレは申し訳ない。

僕はアメリカについての知識には疎いが、資本主義による貧富の差から、主人公は冒頭から不良にフルボッコにされるくらいに貧困である。 でもって、笑ってしまう病気を精神的に持っている。

映画視聴開始でしょっぱなからピエロがでてくる。 うーわきたーー と思ったが、映画の雰囲気・役者の演技が素晴らしく気が付いたら最後まで抵抗感なく視聴できた

舞台のゴッサムシティは荒れまくっている。 貧困層は仕事もないわ、暴動が起きるわ。

前半の主人公は笑いで世の中ハッピーになるならコメディアンになりたい。 ピエロの大道芸人を仕事としてやっている。

しかしながら、同僚に拳銃を持たされるわ、それでクビになるわ、親は要介護だわで踏んだり蹴ったりである。 物理的にも踏んだり蹴ったりされる。

少なくとも僕の人生の中でピエロが集団から物理的に踏んだり蹴ったりされるのは初めて見た。 たしかに僕はピエロが苦手であるが、フルボッコな主人公をみてると、ピエロよりも1人の人間を集団でボコしている人間対して「ひでぇな」と感じた。 つまりピエロに同情した自分が生まれたのである。

中盤から人々に裏切られまくり、解雇されてピエロ姿で電車に乗っていると、胸糞悪い富裕層がでてきてやっぱりボコされる。 そこで解雇の原因となった拳銃でボコしてきた3人を電車を降りてまで射殺する。 この時の殺害はまだ罪悪感のようなものを主人公はもっていたように見えた。

ただ、親の介護、周囲からフルボッコ、仕事も解雇、精神疾患扱いの日々での殺人で、主人公が吹っ切れるいい。とても良い。 抑圧されていた想いから解放される。 むしろこちらのほうが本来の自分であり、人生は悲劇ではなく喜劇なんだと。 いい。とても良い。素晴らしい流れだ。

自分を解き放ったので介護していた親にも裏切り行為が判明したため首を絞めて殺害。

さらに拳銃を無理やり渡した張本人と、主人公には無害だった2人の元同僚が主人公の自宅にやってくるが、拳銃を渡した元同僚を躊躇なく殺す。 もうめった刺しである。 無害だった方がもちろんドン引きするが、主人公のジョーカーは 「お前は俺に優しかった」といって頭にキスまでして部屋から無傷で追い出す。

ということは、ジョーカーの中で「こいつは苦しめた奴だから殺す」「こいつは優しかったから傷つけない」の分別がついていた。 なるほど。無差別でも衝動的でもない。 しっかり意思をもって判断して元同僚を殺害している。 はっきり言って わかりみがあった。あそこまでやられたらそうもなるだろう。 もちろん世間的に殺人はよろしくない行為である。

でもってコメディアン活動をしてた映像がもとで番組に招待されるが テレビ放送という舞台において、過去の主人公ならコメディを彼なりに披露したであろうが、解放状態の狂気の域なので

「電車での3人殺害は自分がやった。最低なのはお前(憧れていた有名コメディアン?)だ、俺を笑い物にしやがった。」 と暴露発言。

僕が察するに、自分の意思でコメディを披露して世間が笑って注目されるのは望んではいたが、笑い物にされていじられ、それにより富裕層のネタにされるのは許せないようだ。

なるほどたしかに。これは僕はとても共感できる。 自分から笑いをとりにいく分には構わないが、いわゆるイジられたり馬鹿にされたりで笑われるのは不愉快である。しかもそれでお金を儲けている富裕層。 殺人まではいかないもののこれは非常に共感できる。

そしてジョーカー視点での資本社会への思想と、番組招待した人を最低呼ばわりし、生放送?で射殺する。

ここでのジョーカーの発言趣旨として

なんで富裕層のお前らは貧困層の自分がフルボッコにされても気にもとめないくせに、地下鉄で殺害した話は注目して同情するんだよ善悪は社会ではなく自分で決めるもんだろう。

というのがある。 ゴッサムの街がジョーカーによりピエロ姿の人達が暴動しまくっているが、果たしてどちらが悪でどちらが善なのか。

番組で射殺行為をしたので、もちろんお縄になるわけだが、パトカーで運送中に暴動を起こしているピエロたちが、護送中のパトカーに車をぶつけてジョーカーを救出。 最後はパトカーの上で踊るのは印象深い終わり方だった。

見終わった感想

本作品は恐ろしくピエロだらけだ。 が、恐怖感はまったくなかったし、むしろ富裕層への不満から暴動を起こしまくっているピエロたちは必ずしも悪ではなく正義なんじゃないかとまで感じた。 もちろん富裕層は富裕層になるべく努力をした結果富裕層になった人もいるだろうし、生まれた環境が富裕層だった人もいるだろう。 不快感を抱いたのはピエロよりも富裕層側にたいしてだ。

僕個人の思想としてそもそも「悪」は存在しない。 戦争レベルでも口論レベルでもお互いがお互いの「正義」で争うからだ。

もちろん社会的に見て、殺人や暴動は秩序が著しく乱れるのでよろしくないことだ。 100%全面的な支持や賛同はもちろんしない。

ハーバード大学サンデル教授の正義の話で 猛突進するトロッコにのっているがブレーキがきかない。 このままだと1人を殺害するか5人を殺害するかの分岐しか対応できない。 ここでの殺害は正義か悪か

また、海上で遭難した難破船の乗員が全滅するよりは生き残るために、身寄りもなく、殺害しても社会的に影響が少ない1人を選び、殺害して「食べて」結果生き延びた。 この殺害は正義か悪か

ジョーカーは必ずしも殺害が必須の状態ではないし、私怨が大きいのでサンデル教授の「正義」なのかどうかと考えると、上記のような絶対に避けられない殺害ではないので、見方としては「悪」なんだろう。 だから「悪に堕ちていく主人公」とかのレビューが多いんだと思う。 まぁそりゃあそうだよな。

とはいえ貧困層や自分の存在意義について定義した、社会への抵抗行為であり、政治が腐った世界でもある。 そう考えると僕個人としては必ずしもジョーカーは100%「悪」ではないんじゃないかとも感じた。

ただ、これは仕方ないのかもしれないが、殺害行為をしまくるピエロのジョーカーにはある程度共感するけれども、エレベーターで一緒になった女性の家にいって、でてきた瞬間にキスしますかね?? その人、子供いたし、なんか気が付いたら入院中であるジョーカーの母親の病室に同伴してるし。 アメリカ文化ですかね?僕にはなんでこいつこの場にいるの?拳銃描写の対象だけで良くね??とはなった。

映画を観たあとにピエロをみてみた

黒ネズミはやっぱりダメだ。 サーカスのピエロ動画は少しだけ改善されたが、やはりダメだ。 2次元の絵は若干改善されたかもしれない。

おそらく、ジョーカーの映画の主人公ピエロや暴動ピエロは意思を持った人間として魅力的に見えたんだろう。

けど、何をしてくるかわからない黒ネズミとサーカスとかは、やっぱり怖いわ。

映画はストーリーがとても良かった。 演出とかも良かった。文句なしの★5。

以上